シックハウス症候群
投稿日:2020.06.09
マイホームの窓口祇園店 溝渕です。
最近、暑くなりましたが、皆さんはエアコンを使われていますでしょうか?
エアコンを使いだすと窓を閉め切り、家が密閉状態になる機会が多くなります。
それ自体とは、あまり関係ありませんが「密閉状態」という単語がキーワードとなる現象が社会問題となった事がありました。
今回は密閉状態が災いして社会問題として有名になった「シックハウス症候群」の事を簡単に説明したいと思います。
時は1980年代までさかのぼります。
当時アメリカやヨーロッパで奇妙な現象が多発します。
それは「同じビルに居る人間が一斉にめまいや吐き気等を訴える」というものでした。
何故そんな事が起きたのでしょう?
1970年代に「オイルショック」が二度起きたという事を以前のブログでご紹介しましたが、それを受けてアメリカ・ヨーロッパでは冷暖房費を節約するため、建物の省エネルギー化を進めていました。
それにより建物の気密性能が向上していくのですが、その結果、空調システムの運転が抑制され換気が不足し、建材などに使われている化学物質等が原因となり、建物内の空気が汚染されてしまった事が原因だったのです。
これは「シックビルディング症候群」として、当時の社会問題になりました。
そして1990年代の日本。
この頃の日本の住宅は、冷暖房効率をあげるため、気密性の向上に熱心でした。
しかし、気密性の向上に熱心になるあまりに「換気」への配慮が不足していたのです。
勿論、建材等に化学物質を使用していたので、シックビルディング症候群が起こる環境と同じ環境が出来上がってしまったのです。
日本では「シックハウス症候群」と呼ばれる様になっていきます。
聞いた事がある人も多いのではないでしょうか?
実は1980年代から「シックハウス症候群」に該当すると思われる症状が報告されていたのですが、当時は「原因不明」とされ、自宅療養で悪化するケースもあったそうです。
その症状を引き起こすとされる化学物質の代表的な物が「ホルムアルデヒド」です。
近年の住宅は、この「ホルムアルデヒド」が発生しにくい物を使う事が主流です。
それに加え、2003年の建築基準法改正により「換気設備設置の義務付け」があり、シックハウス症候群は段々と発生件数が減っていきます。
「シックハウス症候群」は社会問題として深刻に捉えられたが故に耳にする機会が多く、ご心配をされる方も、まだまだ多いです。
しかし、現在では上記から更に対策が発展しています。
「ホルムアルデヒド発散等級」というものもあります。
「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」というシールが貼られている建材や家具はホルムアルデヒドの発散がかなり少ないものを意味しています。
家づくりや家具の購入を検討している方は参考にして頂けると幸いです。